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×2020年4月→改め2021年3月よりJOCVとしてケニアへ。いろいろ情報発信ができるといいな

Rock in Kenya!!~ヘヴィメタル&ハードロック編

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虎?😻

サムネの写真はかわいいですが、内容は前回よりもかわいくない音楽を取り上げていきます。
前回のロック&ヒップホップ編に続き、ヘヴィメタル&ハードロック(HM/HR)編の始まりです🤘

音楽ジャンル的にはよりマニアックになり、理解しがたい内容になると思いますので、本当についてこられる人だけお読みください...w

 

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このテーマで書いていくにあたって、避けては通れない先行研究があるのです。
その名も、『デスメタル・アフリカ🤘』。

タイトルこそデスメタルを謳っていますが、これは2014年のドキュメンタリー映画デスメタルアンゴラ』をもじったもの。実際にはデスメタルに限らず、アフリカで活動する様々なジャンルのヘヴィメタル・バンドを取り上げたかなり画期的な書籍だと言えます。

改めて読んでみると、今回のブログで取り上げようとしたバンドがほとんど載ってました。それほどケニアにはメタルバンドが少ないという話です。それでも東アフリカ最大のメタルシーンが存在するのが、ケニアなのだそうですが(というか、他の国にほぼメタルバンドがいない)。
前回のブログで取り上げたBedslumのインタビューに、ナイロビの音楽ファンたちはメタルに傾倒しているという話があったのですけどね...

 

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Last Year's Tragedy

2005年結成のメタルコア・バンド。影響を受けたバンドに、As I Lay DyingやKillswitch Engage、The Devil Wears PradaなどのメタルコアIn FlamesやThe Black Dahlia Murderなどのメロデス、Funeral to a Friendのようなポストハードコア/スクリーモを挙げてくるような「いかにも」なバンド。個人的にはLinkin Parkの影響も感じます。何の前情報もなく聴けば、完全にアメリカのメタルコアとしか思わないでしょうね。良くも悪くも、洗練された優等生的な音。こんな洗練されたメタルコアが生まれてくるナイロビの大都会ぶりはやっぱりすごい!昨年2021年には1枚目のフルアルバム『Amongst Lions』をリリース。Bandcampで試聴&購入できます。

 

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Duma

これを読んでいる皆さまは絶対にご存知ないと思うのですが、アンダーグラウンドな音楽シーンの世界において、今もっとも注目されているケニア出身のミュージシャンはこのDumaだと思います。インダストリアル・グラインドコアとでも呼ぶべきかなりマニアックな音楽をやっている、2019年結成のナイロビ出身の2人組。Dumaとは「darkness」を意味するキクユ語だそうです。ヘヴィメタルに分類するのはやや無理がある気はしますが、まぁその辺は適当で...

アメリカの有名インディレーベルSubpopと契約したことで注目を集めている彼ら。1/23(日)まで渋谷の街頭ビジョンで彼らのMVが流れているそうなので、見に行ける人はぜひ!

1枚目のアルバム『Duma』はBandcampで試聴&購入可能。このアルバムをリリースしたのはウガンダの首都カンパラを拠点とするNyege Nyege Tapesというインディレーベルなのですが、こちらも今熱いレーベルとして注目を集めています。

 

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Rash

2013年結成。この2010年代に、こんな70年代ハードロックみたいなバンドを?というツッコミしか出てこない音楽性。大胆不敵すぎます。

このバンドが、その後かなりいい感じに洗練されてきてるのが、また何とも言えぬ味わいがありますね。
このMVは、ケニアスワヒリ語を知るうえでおもしろいものだと思います。
英語とスワヒリ語のミックスというだけだと、英語と日本語をミックスしている日本のロックだってたくさんあるので、ありがちな話なわけですが、この曲では例えば、「Nitachange」なんて言い方をしたりしてます。「Ni - ta - change=I will change」というわけです。英語の「change」スワヒリ語の活用の中に組み込んでしまってるのですね。
ケニア人の口語表現だとこういうのはちょくちょく耳にします。「Nitakumiss=Ni - ta - ku - miss=I will miss you」みたいな。おもしろいですよね。

彼らの曲は、ReverbNationとMdudoでいくつかダウンロード可能です。

 

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www.youtube.com

ParkingLotGrass

2010年代の半ばから活動するバンド。ヘヴィメタル/ハードロックと呼ぶには、ギリギリなバンドですかね。ニューメタルとかグランジあたりみたいな、ヘヴィでありながらキャッチーな雰囲気がわりと良いです。英語曲だけでなく、スワヒリ語でも歌ってます。2015年リリースのアルバム『Tusk at Hand』がBandcampで聴けます。

 

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Mortal Soul

2010年に大学の仲間で結成されたバンド。ケニアのバンドはわりとそのパターンが多い気がします。地元を離れて大学へ行かないと、ロックとかメタルとかはやれないのかもしれませんね。あと、バンド機材を買えるのは、子供を大学まで行かせられるくらいの経済力のある家庭でないとムリ、みたいなのもあるかも。MVはインストゥルメンタルですが、実際にはヴォーカルが入ります。プログレッシヴ・メタル要素が入ったドゥーム・メタルって感じで気に入っています。

Bandcampでミニアルバム『Ashes in the Wind EP』(リイシュー版)が購入できますが、収録曲はほぼMdudoやReverbNationで無料でダウンロードできるみたいです(たぶんリイシュー前のバージョンでしょうけど)。「Bankai」って曲があるんですけど、これって『Bleach』のネタなのかな...笑

 

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Absence of Light

2009年に結成されたデスメタル・バンド。本当に文句のつけようのない、しっかりとしたデスメタルだと思います。何回かメンバーチェンジを経た末に、現在はメインメンバー2人+サポートメンバーという体制で活動継続中のようです。Bandcampで購入できますが、こちらもReverbNationで無料ダウンロードできちゃいますね。

 

こんなところで、ケニアのロックやメタルを紹介する今回の企画は終了です。
ケニアでは首都ナイロビが、こういう類いの音楽の発信源になっているのですね。
また新しいケニアの音楽に出会えたら、不定期でこういう記事もやっていきたいと思います。
それでは、Kwa heri!