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×2020年4月→改め2021年3月よりJOCVとしてケニアへ。いろいろ情報発信ができるといいな

Rock in Kenya!!第2弾

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Nyau...😾

こっちのブログよりも、世界日記に注力するようになりつつあるため(向こうは一応ノルマがあるため)、更新が着々と滞ってまいりました。
新しいネタもそんなにないので、今回もまたケニアのロック追求の記録です!

自分にとって新しい音楽ジャンルを追いかけている時というのは楽しいものですが、特に最初のうちはどんどん色んなバンドを見つけられるのでいいですね。
そんなわけで、1月中にもまたすてきなバンドたちに出会うことができました!

 

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Powerslide

ナイロビ出身のパンク・トリオ、Powerslide。ヘロヘロなヴォーカルの、ポストハードコア/エモ。直球パンクな曲ばかりでなく、シューゲイザー的なギターサウンドを使ってみたり、New Orderみたいなポストパンク・スタイルを試してみたりと、幅広い音楽的バックグラウンドが伺えます。個人的には、前々回紹介したBedslumと同じくらい好みのバンドですね。1stアルバム『Cheshire Grin』を始め、ほとんどの音源がBandcampで試聴・購入可能となってます。イチ押し。

この↓ミュージックビデオは、ケニアの幹線道路ってこんなんだわ~という感があってとても気持ちよいのでおすすめです!

 

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Nelecc

ヘヴィメタルの大きなサブジャンルの一つに、「ブラック・メタル」というジャンルがあります。この「ブラック」とはアフリカ人とは関係がありません。もともとはアンチ・キリストとかノルマン・ナショナリズムとかペイガニズムなどをテーマとし、北欧の森の暗い闇から生まれたかのような、暗く攻撃的な音楽として生まれた音楽です。ナチズムと結びついたり、鬱や自殺をテーマにしたサブジャンルを産んだりと、実に北欧的な音楽ジャンルであったわけですが(ブラックメタルについて語るとそれだけで1万字以上は書けそうな気がしますが本題とかけ離れるのでやめます笑)、意外にも00年代以降は北欧以外の人々にも受け入れられて、そのスタイルを大きく変化・発展させながら世界中に広まっています(もちろん元々のヤバい思想的要素はパージされていってます)。ブラックメタルは、比較的テクニックがなくてもできる音楽ジャンルとして知られていて、打ち込みドラムにギター、ベース、シンセサイザーなどを組み合わせれば、家で一人でも作れてしまうので、「宅録」が盛んなのです。

本作も、「Nelecc」本人が作詞・作曲・演奏・録音などをほぼすべて一人で手掛けているようです。しかも、珍しくナイロビ在住のミュージシャンではないみたいなのが興味深いですね(公開情報によればキトゥイ・カウンティ在住らしい)。こんなマニアックな音楽をナイロビ以外の場所でもやれるんだ...という。
あと、ブラックメタルの特徴として、自然信仰的な思想と結びつきやすいというのがあり、下記のアルバム『The Stars』のジャケットもそのマナーに従っていますね。この写真の場所は、キトゥイのどこかにあるのでしょうか。

彼の音楽もBandcampで購入・試聴が可能です。

 

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Crystal Axis

ナイロビを拠点にする4人組「アフロ・パンク」バンド、Crystal Axis。音楽的には、90年代のちょっと暗めなオルタナグランジ・バンドを思わせる雰囲気があります。Bandcampでは『State of Unease EP』のほか、いくつかのシングルを販売しています。最近の曲ではよりポストハードコア色を強めている印象です。

 

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Kanyeki

探してたらついに発見したんですよ。キクユ・ハードロックのミュージシャンを。バンド名はKanyeki(カニェキ)。ナイロビを拠点として活動するバンドです。失礼ながら想像よりもダサくない(笑)ちゃんとここ近年のロックのトレンドを押さえたうえで、あえて少しクラシックなハードロックのスタイルを目指している感じがしますね。ただ、Bandcampで4曲だけ公開されていますが、SNSは止まっているので、もう活動してないのかも...

 

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The Seeds of Datura

ドゥームメタルデスメタルをベースに、独特な世界観のヘヴィメタルサウンドを鳴らす、ナイロビの4人組のバンド。かなり色んな音楽性に手を広げていて、音楽的な振れ幅が大きいです。ポスト・メタル的なことをやりたいのかも。ぱっと聴くと粗さが目立つ感は否めないのですが、何度も聴いていると、だんだんやろうとしていることがわかってきて、好きになりました。

今のところの最新作品(未完)である『Alkaloids Live』の説明文の中に、以下のような内容があり、大変な環境下で活動していたことがうかがえます。
「ハードディスクの故障、バンドのスタジオへの立ち退き、警察による武力襲撃とバンドのコンピューターの没収、脅迫未遂、健康、精神衛生上の懸念など、いくつかの激変によって、このトラックの録音と制作は何度も中断された。私たちは、嫌がらせを受けずに録音できる安全な場所を探しながら、復旧したハードディスクからゆっくりとセッションを制作しようとしています。皆様からのご寄付は、バンドを再結成し、アルバムをリリースするというゴールに到達するための一助となります」
アルバム自体は昨年の10月リリースと表記されていながら、まだ全曲公開されていないので、バンドとしての活動は再開できてないんじゃないかな...と。

Bandcampでほとんどの音源を販売していますが、シングル曲やライブセッションなどは、mudundoで無料ダウンロード可能となっています。

 

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ケニアのロックシーンはあまり大きくはなさそうなので、そろそろネタが限界かもしれません。最近のバンドで、ネット上に情報が出てこないバンドなんてほぼ皆無でしょうし。
ある程度ロック探求が終わったら、次はヒップホップか、メジャーなポップにあたるか、あるいはキクユ・ポップでしょうか...?

またネタが溜まったらこのテーマで書きたいと思いますので、こうご期待です!