GaSELoG

×2020年4月→改め2021年3月よりJOCVとしてケニアへ。いろいろ情報発信ができるといいな

ゴミの山にて

近況報告です。

カウンタパートも配属先も、あんまり本気で環境教育をやる気がないことがわかったので、最近は事務所にも行かず、JICAのプロジェクトが進行中のカンゴキ処分場(Kang'oki Dumpsite)に入り浸っております。

カンゴキ処分場は、キアンブ・カウンティ唯一の最終処分場です。カウンティ内に複数存在した処分場が次々と閉鎖された結果、ここティカのカンゴキだけが残りました。
キアンブ・カウンティ内で回収されたゴミは、すべてここに捨てられます(建前上はそういうことになってます...)

周りに沼地が多く、雨が降ると水が抜けにくい”悪い土地”です(そういう土地だからこそ最終処分場にされたとも言えるでしょう)。
今回の雨季で、広い範囲が水没してトラックが処分場内に入れなくなったり、入れる場所でも地面がぬかるんでいてスタックしてしまい動きが取れなくなったりと、処分場としての運用が厳しい状況に陥りました。結果として、上の写真のように処分場の外の道路にゴミが捨てられてしまいました。
大量のゴミが処分場の外にあふれ出している状況に対して、近隣住民による抗議活動が起こり、選挙前ということもあって知事選の候補らによって政治問題化されたりして、なかなかホットな場所になっているようです。

ゴミ収集トラックが処分場で動けなくなっていると、街中にも影響が出ます。
トラックがふだん街と処分場を3往復しているとして、それが1往復になってしまえば、ゴミの収集量は3分の1に減ってしまいますよね。収集されなかったゴミは街中に捨てられることになるわけで、街じゅうがゴミだらけになるのは想像に難くないわけです(そもそも日本の基準からすれば普段だってゴミだらけですからね...)。

始めて生で見た、路上でタイヤが燃やされる抗議活動

現在は、JICAプロジェクトでキアンブ・カウンティに供与されたコマツの重機が大活躍しています。
処分場の仕事というのは、完全に土木事業なので、私に出る幕があるのかどうかはよくわかりません。ですが、せっかくの機会なので、色々と経験させてもらおうと思います。

重機はロマン

以上、近況報告でした!

kwenye Murang'a

以前にFacebookで紹介した同僚の赤ちゃんが、3ヶ月の短い人生に幕を閉じました。

今日はお葬式のため、ふるさとのムランガ・カウンティへ。

たくさんの人々が集まり、彼の死を悼み、祈りました。

ムランガの美しい光景の中で、彼の魂が安らかに眠ることを願います。

youtu.be

 

 

 

 

こんなに悲しいことってないですよ、本当に。

 

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世界の乳児死亡率ランキングにおいて、ケニアは1,000人あたり31.20人。世界第49位と高い水準にあります。世界の乳児死亡率ワースト10をアフリカの国が占め、ケニアを含むワースト50ヶ国のうち39ヶ国がアフリカの国です。

日本は1,000人あたり1.80人で、世界第187位。世界で最も乳児死亡率の低い国の一つです。

Ol Donyo Sabuk

ナイロビ国立公園に行ったのは2月26日(土)でしたが、その翌日の27日(日)には別の国立公園へ。国立公園ハシゴですね。超贅沢。

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行ったのは、ティカの東部に位置するオル・ドニョ・サブク(Ol Donyo Sabuk)国立公園。マサイ語で「大きな山」を意味するそうです。スワヒリ語ではキリマ・ンボゴ(Kilima Mbogo)と言います。こちらの意味は「バッファロー(アフリカスイギュウ)の丘」。
標高2,145メートルの山が、まるごと国立公園に指定されているという場所です。

結論から言うと、楽しい登山は最初の方だけで、中盤以降は長くつらい道のりが続く、想像以上にハードな山登りになりました...
四駆の車があればさくっと頂上まで行けるので、そっちの方が楽しいかもしれません(苦笑)

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門のマークは、キリマ・ンボゴのシンボルであるバッファロー

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写真は撮りそびれましたが、この辺りにはオリーブバブーンやヴァーヴェットモンキーがたくさんいました。キャンプ場があるので、人の食べ物を狙っているのかもしれません。

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いざ出発!

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眺めはいいです。

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アリの群れ。これってもしかして軍隊アリのたぐいでは...?

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登山道。オルドニョでは、哺乳類はサルくらいにしか遭遇しませんでしたが、バッファローやヒョウも生息しているそうです。めったに見られないとのことですが。

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途中にあった「ハイラックスの岩場」。本当にハイラックスがいるかは不明です。トカゲが何匹かいましたね

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この辺りはまだ楽しい山登り

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余裕がありますね...

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トカゲ(見えるかな?)

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登山道の最後にある眺めの良い場所。ここはとても良い場所でしたね...

www.youtube.com

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彼方にそびえ立つケニア山の威容

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過酷なハイキングの始まり...ひたすら管理用の自動車道路を歩き続けます。全9kmの行程のうち、約6kmがこれって...

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この日は天気が良くて、暑かったんですよね...炎天下の強行軍でした。写真奥に見えるアンテナを目指してひたすら歩く

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でっかいヤスデ

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山頂にはこんな具合に、テレビのアンテナなどが立ち並んでいます。長野県の美ヶ原みたい

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美ヶ原と違って、山頂から下の光景は全然見えませんが...

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登頂記念写真。ナイロビから来たお金持ちそうな人たちが、レンジローバーで楽々山頂に登ってきていて、「帰りは乗せてほしい...」と切に願いました。歩いて帰りましたが。

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山頂で水や食べ物を売ってる人がいました。もちろん「登山価格」です(高い)。
彼はここの住み込みの管理人だと思われます。

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疲れ果てて下山した末にたどり着いた、オル・ドニョ・サブクの麓のリゾートホテル

 

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立派なタビビトノキが、疲れた旅人たちを迎えます

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ゾウさんとバッファローがお出迎え

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池があって、コイがいます!

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フロントにもバッファローの角がモチーフのオブジェが

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めっちゃリゾート...プールがあって乗馬もできます

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すごくいい席なんですが、風が強かった...

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あと、ネコがいっぱいウロウロしています(嫌がられている)

帰国間近のティカの先輩隊員の希望で、今回のオルドニョ登山が実現しました。
かなり過酷なハイキング&行き当たりばったりの旅程になってしまいましたが、忘れられないティカの思い出になるといいなぁ、と思っています。

日焼けして、鼻の皮がむけております...笑

念願のナイロビ国立公園サファリ・ツアー その2

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続きです。前回のブログで主だった動物を挙げてしまったので、やや地味にはなるかもしれませんが。

とは言え、ケニアの国立公園にいるのは哺乳類ばかりではありません。それ以外にも愉快な生き物たちがたくさんいるのです。お楽しみはまだまだこれから。

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アフリカの鳥類で有名なのはやはりダチョウでしょう。現存する最大の鳥類。スワヒリ語ではンブニ(Mbuni)。

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羽が黒いのがオスで、グレーのがメスだそうです。

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ダチョウの親子連れにも遭遇しました。ダチョウは子供が大きくなるまでよく面倒をみるそうです。

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こちらはアフリカオオノガンという鳥です。「地球上で最も重たい飛ぶ鳥」で、最大で18㎏くらいになるそうです。見るからに大きい!

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この鳥にはあまり天敵がいないらしく、ゆったりと草原を歩き回っています

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ホロホロチョウ。ナイロビ国立公園内ではよく見かける鳥です。スワヒリ語ではカンガ(Kanga)。

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こちらはヘビクイワシ!こんな鳥もいます。

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とても美しいワシだと聞きますが、遠くからしか見られないのが残念...

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これはたぶんホオジロカンムリヅル。ウガンダの国旗に描かれていることで有名ですね。奥にいるのはダチョウ。

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こちらも美しい鳥ですよね。

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バッファローの角の上にいるのはアカハシウシツツキ(たぶん)という鳥です。動物の体につく虫やダニを食べています。スワヒリ語ではアスカリ・ワ・キファル(Askari wa kifaru=サイのガードマン)といって、サイに敵の接近を知らせているのだとか。

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ナイロビ国立公園に入ったら出迎えてくれた鳥。名前はわかりませんが、ナイロビでもティカでもよく見かける鳥です。

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ピントがずれてますが、この鳥は猛禽類の顔をしてますね

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みんな大好き(?)なハタオリドリももちろんいます

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サギ。

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ウですかね?

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これはカモかも...?

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ヤマドリみたいな鳥

名前はわかりませんが、木の上で鳴いてる鳥。目つきが悪い(笑)

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こんな鳥も。

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そういえば、最初の方でカバを見たんでした。こんなふうにちらっとしか見られなかったのですが。スワヒリ語でキボコ(Kiboko)です。

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こんな感じなので全然見えない...笑

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カバのそばにはワニがいました。ナイルワニだそうです。ワニはカバを恐れると聞いたことがありますが、そうでもないんですかね。スワヒリ語ではマンバ(Mamba)です。

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国立公園内の休憩場所にいたサル。ブルーモンキーと呼ばれるサルだと思います。たまにティカでも見かけますね。子供を抱いています。

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移動するときは、こんなふうに子ザルはしっかりと母親にしがみついています。

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ナイロビ国立公園のツアーを終えて戻ってきた駐車場で遭遇したのは、ヒヒ。日本語ではアヌビスヒヒ。英語ではOlive Baboonといいます。

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他のサルに比べると大きいのでちょっと怖いですね。非非のことはスワヒリ語でニャニ(Nyani)と言います。

 

念願のナイロビ国立公園サファリ・ツアー その1

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皆さんのケニアのイメージとして、サバンナとそこに住む野生動物たちというのは、かなり大きいんじゃないかと思います。
ケニア国内で国立公園などの管理を行っているケニア野生生物公社(Kenya Wildlife Service=KWS)のHPによると、ケニア国内には16ヶ所の国立公園(National Park)と、7ヶ所の国立保護区(National Reserve)、5ヶ所の海洋公園(Marine Park)など、全40ヶ所以上あります。
こうした自然や生物を活かした観光は、ケニアの主要な産業の一つとなっています。

その中のひとつであるナイロビ国立公園は、ケニアの首都ナイロビの南部に位置する国立公園です。この公園の特色は、何と言っても500万人の人口を有するアフリカ屈指の大都市ナイロビに隣接している立地です。
ナイロビ市内やジョモ・ケニヤッタ国際空港から車で数十分という、アクセスの良さ。にもかかわらず、様々な種類の野生動物を見ることができる気軽さが魅力です。

ケニアに来てそろそろ1年近く経つのに、未だに国立公園へもサファリツアーにも行けていなかった私ですが、さる2月26日(土)に、ついに念願のナイロビ国立公園のサファリツアーへ行ってきました!
(ちなみに、サファリ=Safariとはスワヒリ語で「旅」の意味なので、サファリ・ツアーというのは意味が重複する変な言葉なのですが笑)

あれこれ文章で説明するより、画像や動画を見てもらった方がいいと思うので、たくさん貼っておきます。心ゆくまで堪能ください!

ナイロビ国立公園にはゾウがいないんですが、入り口にゾウの像(笑)があると言って笑っています。

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エントランス・ゲート

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キリン。スワヒリ語ではトウィガ(Twiga)

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ナイロビ国立公園内では最もよく見かける動物の一つです。

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とげのあるアカシアの木の葉っぱをよく食べているそうです

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キリンさんは、私たちのことなどそれほど気にせず、のんびり草を食んでいるので、観光客にやさしい。

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サファリのビッグ・ファイヴの一角、ライオンです。スワヒリ語ではシンバ(Simba)。

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見られています

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オスもいました。

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「ライオン発見」の情報が流れると、サファリカーが詰めかけて、大渋滞になります...笑

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ビッグファイヴの一つ、サイです。これはクロサイだそうです。ナイロビ国立公園では、サイが比較的よく見られるそうですよ。

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これは子連れのシロサイ。サイに限らず動物たちは、暑い日中を寝て過ごしています。背中のでっぱりがシロサイの特長だそうですよ。

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サイはスワヒリ語でキファル(Kifaru)。立っているサイは一度も見られませんでしたね...

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ビッグ・ファイヴの一角、アフリカスイギュウ。スワヒリ語ではニャティ(Nyati)あるいはンボゴ(Mbogo)。

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お前は本当にビッグファイヴなの?と言いたくなるくらいたくさん見られますが、このいかつい角がかっこいいですよね。

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暑い時間には木陰で休んでいます。

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角の上にウシツツキがいます!

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シマウマ。ナイロビ国立公園では最もたくさん見られる動物の一つです。

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ずんぐりした身体つきに、短い脚、ぴんと立った長い耳。これって馬なの...?と思っていたら、答えはスワヒリ語にありました。

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スワヒリ語でシマウマはプンダ・ミリア(Punda Milia)。プンダ=ロバ、ミリア=縞です。そう、彼らはスワヒリ語では「シマロバ」なのです!

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人間のことなど気にしていないように見えて、案外気にするタイプ

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シマウマは群れを作って行動します。水場の近くに特にたくさんいました。

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イランド。ウシ科の動物で、インパラやガゼルと比べるととても大きい

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こんな巨体でも、とても足が速く身軽で、車の上を飛び越えることもあるのだそうです。他所と比べてナイロビ国立公園では比較的よく見られるのだとか

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イボイノシシ。スワヒリ語ではムハンガ(Mhanga)。「プンバァ(Pumbaa)」は「馬鹿である」(動詞)という意味です笑

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イボイノシシはけっこう小さい印象です。

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子イノシシを連れていたので、あれが成獣だと思われます。

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こちらもナイロビ国立公園内ではよく見かける動物、インパラ。お尻に縦の3本線があるのが特長だそうです。

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インパラは一夫多妻の群れをつくります。角のあるのがこの群れのオス。

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インパラの群れのメスと子供たち

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群れの支配をめぐって、オス同士は激しく戦うそうです。時にはこんなふうに角が折れてしまうのだとか。

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草むらの中に3種類の動物がいます(わかりますか?)

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ハーテビースト。こちらも群れで行動している草食動物です。

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ハーテビーストもナイロビ国立公園内ではよく見かけます。

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ガゼル。スワヒリ語ではスワラ(Swala)。トムソンガゼルと、もう一種のガゼルがいるそうですが、どっちがどっちか忘れました...

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ガゼルは実にいい角してますね。

かなり写真が多いので、また次のブログでも紹介したいと思います!お楽しみに!

Rock in Kenya!!第2弾

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Nyau...😾

こっちのブログよりも、世界日記に注力するようになりつつあるため(向こうは一応ノルマがあるため)、更新が着々と滞ってまいりました。
新しいネタもそんなにないので、今回もまたケニアのロック追求の記録です!

自分にとって新しい音楽ジャンルを追いかけている時というのは楽しいものですが、特に最初のうちはどんどん色んなバンドを見つけられるのでいいですね。
そんなわけで、1月中にもまたすてきなバンドたちに出会うことができました!

 

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Powerslide

ナイロビ出身のパンク・トリオ、Powerslide。ヘロヘロなヴォーカルの、ポストハードコア/エモ。直球パンクな曲ばかりでなく、シューゲイザー的なギターサウンドを使ってみたり、New Orderみたいなポストパンク・スタイルを試してみたりと、幅広い音楽的バックグラウンドが伺えます。個人的には、前々回紹介したBedslumと同じくらい好みのバンドですね。1stアルバム『Cheshire Grin』を始め、ほとんどの音源がBandcampで試聴・購入可能となってます。イチ押し。

この↓ミュージックビデオは、ケニアの幹線道路ってこんなんだわ~という感があってとても気持ちよいのでおすすめです!

 

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Nelecc

ヘヴィメタルの大きなサブジャンルの一つに、「ブラック・メタル」というジャンルがあります。この「ブラック」とはアフリカ人とは関係がありません。もともとはアンチ・キリストとかノルマン・ナショナリズムとかペイガニズムなどをテーマとし、北欧の森の暗い闇から生まれたかのような、暗く攻撃的な音楽として生まれた音楽です。ナチズムと結びついたり、鬱や自殺をテーマにしたサブジャンルを産んだりと、実に北欧的な音楽ジャンルであったわけですが(ブラックメタルについて語るとそれだけで1万字以上は書けそうな気がしますが本題とかけ離れるのでやめます笑)、意外にも00年代以降は北欧以外の人々にも受け入れられて、そのスタイルを大きく変化・発展させながら世界中に広まっています(もちろん元々のヤバい思想的要素はパージされていってます)。ブラックメタルは、比較的テクニックがなくてもできる音楽ジャンルとして知られていて、打ち込みドラムにギター、ベース、シンセサイザーなどを組み合わせれば、家で一人でも作れてしまうので、「宅録」が盛んなのです。

本作も、「Nelecc」本人が作詞・作曲・演奏・録音などをほぼすべて一人で手掛けているようです。しかも、珍しくナイロビ在住のミュージシャンではないみたいなのが興味深いですね(公開情報によればキトゥイ・カウンティ在住らしい)。こんなマニアックな音楽をナイロビ以外の場所でもやれるんだ...という。
あと、ブラックメタルの特徴として、自然信仰的な思想と結びつきやすいというのがあり、下記のアルバム『The Stars』のジャケットもそのマナーに従っていますね。この写真の場所は、キトゥイのどこかにあるのでしょうか。

彼の音楽もBandcampで購入・試聴が可能です。

 

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Crystal Axis

ナイロビを拠点にする4人組「アフロ・パンク」バンド、Crystal Axis。音楽的には、90年代のちょっと暗めなオルタナグランジ・バンドを思わせる雰囲気があります。Bandcampでは『State of Unease EP』のほか、いくつかのシングルを販売しています。最近の曲ではよりポストハードコア色を強めている印象です。

 

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Kanyeki

探してたらついに発見したんですよ。キクユ・ハードロックのミュージシャンを。バンド名はKanyeki(カニェキ)。ナイロビを拠点として活動するバンドです。失礼ながら想像よりもダサくない(笑)ちゃんとここ近年のロックのトレンドを押さえたうえで、あえて少しクラシックなハードロックのスタイルを目指している感じがしますね。ただ、Bandcampで4曲だけ公開されていますが、SNSは止まっているので、もう活動してないのかも...

 

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The Seeds of Datura

ドゥームメタルデスメタルをベースに、独特な世界観のヘヴィメタルサウンドを鳴らす、ナイロビの4人組のバンド。かなり色んな音楽性に手を広げていて、音楽的な振れ幅が大きいです。ポスト・メタル的なことをやりたいのかも。ぱっと聴くと粗さが目立つ感は否めないのですが、何度も聴いていると、だんだんやろうとしていることがわかってきて、好きになりました。

今のところの最新作品(未完)である『Alkaloids Live』の説明文の中に、以下のような内容があり、大変な環境下で活動していたことがうかがえます。
「ハードディスクの故障、バンドのスタジオへの立ち退き、警察による武力襲撃とバンドのコンピューターの没収、脅迫未遂、健康、精神衛生上の懸念など、いくつかの激変によって、このトラックの録音と制作は何度も中断された。私たちは、嫌がらせを受けずに録音できる安全な場所を探しながら、復旧したハードディスクからゆっくりとセッションを制作しようとしています。皆様からのご寄付は、バンドを再結成し、アルバムをリリースするというゴールに到達するための一助となります」
アルバム自体は昨年の10月リリースと表記されていながら、まだ全曲公開されていないので、バンドとしての活動は再開できてないんじゃないかな...と。

Bandcampでほとんどの音源を販売していますが、シングル曲やライブセッションなどは、mudundoで無料ダウンロード可能となっています。

 

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ケニアのロックシーンはあまり大きくはなさそうなので、そろそろネタが限界かもしれません。最近のバンドで、ネット上に情報が出てこないバンドなんてほぼ皆無でしょうし。
ある程度ロック探求が終わったら、次はヒップホップか、メジャーなポップにあたるか、あるいはキクユ・ポップでしょうか...?

またネタが溜まったらこのテーマで書きたいと思いますので、こうご期待です!

Rock in Kenya!!~ヘヴィメタル&ハードロック編

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虎?😻

サムネの写真はかわいいですが、内容は前回よりもかわいくない音楽を取り上げていきます。
前回のロック&ヒップホップ編に続き、ヘヴィメタル&ハードロック(HM/HR)編の始まりです🤘

音楽ジャンル的にはよりマニアックになり、理解しがたい内容になると思いますので、本当についてこられる人だけお読みください...w

 

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このテーマで書いていくにあたって、避けては通れない先行研究があるのです。
その名も、『デスメタル・アフリカ🤘』。

タイトルこそデスメタルを謳っていますが、これは2014年のドキュメンタリー映画デスメタルアンゴラ』をもじったもの。実際にはデスメタルに限らず、アフリカで活動する様々なジャンルのヘヴィメタル・バンドを取り上げたかなり画期的な書籍だと言えます。

改めて読んでみると、今回のブログで取り上げようとしたバンドがほとんど載ってました。それほどケニアにはメタルバンドが少ないという話です。それでも東アフリカ最大のメタルシーンが存在するのが、ケニアなのだそうですが(というか、他の国にほぼメタルバンドがいない)。
前回のブログで取り上げたBedslumのインタビューに、ナイロビの音楽ファンたちはメタルに傾倒しているという話があったのですけどね...

 

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Last Year's Tragedy

2005年結成のメタルコア・バンド。影響を受けたバンドに、As I Lay DyingやKillswitch Engage、The Devil Wears PradaなどのメタルコアIn FlamesやThe Black Dahlia Murderなどのメロデス、Funeral to a Friendのようなポストハードコア/スクリーモを挙げてくるような「いかにも」なバンド。個人的にはLinkin Parkの影響も感じます。何の前情報もなく聴けば、完全にアメリカのメタルコアとしか思わないでしょうね。良くも悪くも、洗練された優等生的な音。こんな洗練されたメタルコアが生まれてくるナイロビの大都会ぶりはやっぱりすごい!昨年2021年には1枚目のフルアルバム『Amongst Lions』をリリース。Bandcampで試聴&購入できます。

 

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Duma

これを読んでいる皆さまは絶対にご存知ないと思うのですが、アンダーグラウンドな音楽シーンの世界において、今もっとも注目されているケニア出身のミュージシャンはこのDumaだと思います。インダストリアル・グラインドコアとでも呼ぶべきかなりマニアックな音楽をやっている、2019年結成のナイロビ出身の2人組。Dumaとは「darkness」を意味するキクユ語だそうです。ヘヴィメタルに分類するのはやや無理がある気はしますが、まぁその辺は適当で...

アメリカの有名インディレーベルSubpopと契約したことで注目を集めている彼ら。1/23(日)まで渋谷の街頭ビジョンで彼らのMVが流れているそうなので、見に行ける人はぜひ!

1枚目のアルバム『Duma』はBandcampで試聴&購入可能。このアルバムをリリースしたのはウガンダの首都カンパラを拠点とするNyege Nyege Tapesというインディレーベルなのですが、こちらも今熱いレーベルとして注目を集めています。

 

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Rash

2013年結成。この2010年代に、こんな70年代ハードロックみたいなバンドを?というツッコミしか出てこない音楽性。大胆不敵すぎます。

このバンドが、その後かなりいい感じに洗練されてきてるのが、また何とも言えぬ味わいがありますね。
このMVは、ケニアスワヒリ語を知るうえでおもしろいものだと思います。
英語とスワヒリ語のミックスというだけだと、英語と日本語をミックスしている日本のロックだってたくさんあるので、ありがちな話なわけですが、この曲では例えば、「Nitachange」なんて言い方をしたりしてます。「Ni - ta - change=I will change」というわけです。英語の「change」スワヒリ語の活用の中に組み込んでしまってるのですね。
ケニア人の口語表現だとこういうのはちょくちょく耳にします。「Nitakumiss=Ni - ta - ku - miss=I will miss you」みたいな。おもしろいですよね。

彼らの曲は、ReverbNationとMdudoでいくつかダウンロード可能です。

 

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www.youtube.com

ParkingLotGrass

2010年代の半ばから活動するバンド。ヘヴィメタル/ハードロックと呼ぶには、ギリギリなバンドですかね。ニューメタルとかグランジあたりみたいな、ヘヴィでありながらキャッチーな雰囲気がわりと良いです。英語曲だけでなく、スワヒリ語でも歌ってます。2015年リリースのアルバム『Tusk at Hand』がBandcampで聴けます。

 

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Mortal Soul

2010年に大学の仲間で結成されたバンド。ケニアのバンドはわりとそのパターンが多い気がします。地元を離れて大学へ行かないと、ロックとかメタルとかはやれないのかもしれませんね。あと、バンド機材を買えるのは、子供を大学まで行かせられるくらいの経済力のある家庭でないとムリ、みたいなのもあるかも。MVはインストゥルメンタルですが、実際にはヴォーカルが入ります。プログレッシヴ・メタル要素が入ったドゥーム・メタルって感じで気に入っています。

Bandcampでミニアルバム『Ashes in the Wind EP』(リイシュー版)が購入できますが、収録曲はほぼMdudoやReverbNationで無料でダウンロードできるみたいです(たぶんリイシュー前のバージョンでしょうけど)。「Bankai」って曲があるんですけど、これって『Bleach』のネタなのかな...笑

 

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Absence of Light

2009年に結成されたデスメタル・バンド。本当に文句のつけようのない、しっかりとしたデスメタルだと思います。何回かメンバーチェンジを経た末に、現在はメインメンバー2人+サポートメンバーという体制で活動継続中のようです。Bandcampで購入できますが、こちらもReverbNationで無料ダウンロードできちゃいますね。

 

こんなところで、ケニアのロックやメタルを紹介する今回の企画は終了です。
ケニアでは首都ナイロビが、こういう類いの音楽の発信源になっているのですね。
また新しいケニアの音楽に出会えたら、不定期でこういう記事もやっていきたいと思います。
それでは、Kwa heri!