ゴミの話
環境教育隊員なのです。
JOCVの環境教育は2種類に分かれていて、自然保護に関する「グリーン系」と廃棄物(ゴミ)に関する「ブラウン系」があります。
途上国が経済発展していくうえで、ゴミ問題は避けて通れない問題であり、高度経済成長期に散々やらかした国として、途上国が同じ轍を踏まないように支援しましょう、というのがこの分野におけるJICAのお仕事。
その中で、人々に対する啓発活動を行うのがJOCV環境教育隊員ブラウン系の役割であるという理解です。
ケニアのゴミの話で有名なのはこちらでしょう。
2017年にポリ袋(ポリエチレン製の、いわゆるレジ袋です)を禁止しました。
記事中には「最大4年間の禁錮刑か4万ドルの罰金」という厳しい罰則がありますが、これはポリ袋の製造・販売などを行った場合の罰則で、かなり重いものです。単に使用しただけなら、「最大1年の禁錮刑か500ドル以上の罰金」となります。これはこれで十分厳しいですね...
ポリ袋は便利ですし、広く普及していたので、禁止にあたっては多くの反対があったようですが、禁止に踏み切ったそうです。
それまでは、そこら中にポリ袋が散乱し、水路をふさいで洪水を引き起こしたり、死んだ牛の胃の中から大量のポリ袋が出てきた、なんてことが起こっていたといいます。
なお、アフリカではポリ袋規制はけっこう広まっているようです。
ルワンダは2006年の時点で禁止に踏み切っているので、かなり先進的と言えるのではないでしょうか。日本でレジ袋が有料化されたのが2020年であると考えると。
ではケニアはゴミ問題の少ない美しい国かというと、まったくそんなことはありません。
こういったゴミは道端にたくさん落ちています。
ケニアでは(というか多くの国では)ゴミを焼却したりしないので、こういったゴミは最終処分場に運ばれ、野積みになります。プラスチックは腐らないですし、簡単に分解もされないので、長く(何百年という単位で)残り続けることになります。
リサイクルも一応は行われていて、ウェイストピッカー(ゴミ拾い人)と呼ばれる人々がゴミの中からプラスチックや金属、紙などの有価物を集め、仲買人にそれを販売し、リサイクル業者がそれを購入しているようです。
ただし、ゴミは分別されずに全部一緒に捨てられるのが基本なので、そこから人の手で拾い集めるのには限界がありますよね。汚れてしまって有価物としての価値も下がるでしょうし。
基本的に、街中のゴミがすごいな...というのが実感です。
環境教育の技術補完研修で見た、1950~60年代の日本の光景のようです。誰もがその辺にゴミをポイ捨てするのが当たり前だった時代。
さて、何から手を付けたものか。
ケニアのプラゴミのニュースを調べてたらこんな記事が...去年のものですが。