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×2020年4月→改め2021年3月よりJOCVとしてケニアへ。いろいろ情報発信ができるといいな

ゴミの話

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最終処分場の入り口。処分場の本体は右手奥に見える煙が上がっている場所です

環境教育隊員なのです。
JOCVの環境教育は2種類に分かれていて、自然保護に関する「グリーン系」と廃棄物(ゴミ)に関する「ブラウン系」があります。
途上国が経済発展していくうえで、ゴミ問題は避けて通れない問題であり、高度経済成長期に散々やらかした国として、途上国が同じ轍を踏まないように支援しましょう、というのがこの分野におけるJICAのお仕事。
その中で、人々に対する啓発活動を行うのがJOCV環境教育隊員ブラウン系の役割であるという理解です。

 

ケニアのゴミの話で有名なのはこちらでしょう。

jp.reuters.com

2017年にポリ袋(ポリエチレン製の、いわゆるレジ袋です)を禁止しました。
記事中には「最大4年間の禁錮刑か4万ドルの罰金」という厳しい罰則がありますが、これはポリ袋の製造・販売などを行った場合の罰則で、かなり重いものです。単に使用しただけなら、「最大1年の禁錮刑か500ドル以上の罰金」となります。これはこれで十分厳しいですね...
ポリ袋は便利ですし、広く普及していたので、禁止にあたっては多くの反対があったようですが、禁止に踏み切ったそうです。
それまでは、そこら中にポリ袋が散乱し、水路をふさいで洪水を引き起こしたり、死んだ牛の胃の中から大量のポリ袋が出てきた、なんてことが起こっていたといいます。

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ティカの街中でも牛が放し飼いになっていて、ゴミ捨て場で生ごみを漁っていたりします

なお、アフリカではポリ袋規制はけっこう広まっているようです。
ルワンダは2006年の時点で禁止に踏み切っているので、かなり先進的と言えるのではないでしょうか。日本でレジ袋が有料化されたのが2020年であると考えると。

globe.asahi.com

 

ではケニアはゴミ問題の少ない美しい国かというと、まったくそんなことはありません。

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ポリ袋の代わりに、不織布の袋がよく使われています。スーパーなどでは有料のところも

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スーパーで量り売りの野菜や果物を入れるプラスチックネットは使い放題です

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食品包装容器にもプラスチックがたくさん使われています。

こういったゴミは道端にたくさん落ちています。

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ケニアでは(というか多くの国では)ゴミを焼却したりしないので、こういったゴミは最終処分場に運ばれ、野積みになります。プラスチックは腐らないですし、簡単に分解もされないので、長く(何百年という単位で)残り続けることになります。

リサイクルも一応は行われていて、ウェイストピッカー(ゴミ拾い人)と呼ばれる人々がゴミの中からプラスチックや金属、紙などの有価物を集め、仲買人にそれを販売し、リサイクル業者がそれを購入しているようです。
ただし、ゴミは分別されずに全部一緒に捨てられるのが基本なので、そこから人の手で拾い集めるのには限界がありますよね。汚れてしまって有価物としての価値も下がるでしょうし。

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街中に何箇所か設置されているゴミ収集用のコンテナ。だいたい山積みです。

基本的に、街中のゴミがすごいな...というのが実感です。
環境教育の技術補完研修で見た、1950~60年代の日本の光景のようです。誰もがその辺にゴミをポイ捨てするのが当たり前だった時代。
さて、何から手を付けたものか。

 

ケニアのプラゴミのニュースを調べてたらこんな記事が...去年のものですが。

toyokeizai.net