ティカ紹介
そういえば、任地のティカについてちゃんと書いたことがなかったな、と思いました。
どんどんと隊員が増えて、今のところティカで活動する隊員が4名になる予定なので、なんとなく街の概要がわかるようなものを書こうと思います。
1.ケニアの行政単位から見たティカ
ティカ(Thika)は、キアンブ・カウンティに12あるサブカウンティの一つです。
カウンティはケニアの行政単位の一つで、日本の都道府県にあたるものだと考えればわかりやすいと思います。なんとケニアにあるカウンティ数は偶然にも47です!
サブカウンティは、カウンティの下にある行政単位で、日本で言うと市とか郡のようなものと考えればいいと思うのですが、一つ大きな違いが。
ケニアのサブカウンティには、日本の「市町村長」にあたる人がいません。サブカウンティのトップは、カウンティの知事(Governor)です。
各サブカウンティには行政のトップとして行政官(Administrator)という役職が置かれていますが、彼らは選挙で選ばれるのではなく、知事に任命されるようです。
2.キアンブ・カウンティにおけるティカ
ティカは、首都ナイロビから北東に約50km離れた場所に位置しています。キアンブ・カウンティの東端で、北にムランガ・カウンティ、東はマチャコス・カウンティと接しています。
人口は約28万人(2019年)ということで、ケニア国内でトップ10に入るくらいの大きな都市であると言えます。
キアンブ・カウンティの県庁所在地キアンブ(Kiambu)の人口が約15万人なので、ティカの方が大きな街なのですね。(ちなみに最大の人口を擁するサブカウンティは、ナイロビに隣接するルイル(Ruiru)で、約49万人!です)
そのせいか、キアンブ以外で唯一地方議会が置かれている街であり、行政組織の一部もティカに拠点を構えているようです(この辺はちょっと間違えているかもしれませんが...)。例えば、私の所属するキアンブ・カウンティ水・環境・エネルギー・天然資源部の本拠地はキアンブにありますが、環境担当ダイレクターである私の上司の事務所はティカに置かれています。
3.ティカの5つの区
Google Mapでティカ(ティーカ)と検索すると、↓のような地図が出てきます。
実はこれは間違っています。もしかすると昔のティカはこういう範囲だったのかもしれませんが、少なくとも今のティカの範囲は異なっています。
この地図はだいたいあってると思いますが、ちょっと自信がないですね(なにせ行政機関のはずなのに、まともな地図がないので...)
このように、ティカは全部で5つの区(Ward)に分かれています。
①タウンシップ区(Township ward)
タウンシップ区はティカの西の端に位置する区です。
ティカのタウンホール、カウンティの各部門の事務所、警察署、裁判所といった公共機関の立ち並ぶ官庁街があり、中心市街地=CBD(Central Business District)がある、ティカの中心地です。
タウンシップ区には私の知る限り8つのスーパーマーケットがあり、スーパーで買い物をする層=ミドルクラス以上の人たちがたくさん住んでいる地区、ということなのではないかと思います。
ティカ・スタジアムがあり、サッカーの試合が時々開催されるのもこのタウンシップ区です。
ナイロビとティカとを結ぶスーパーハイウェイは、ここタウンシップ区を通っています。また、バスやマタツの発着場所であるティカ・メインステージもタウンシップ区にあるため、ティカの西の玄関口とも言えます。
もともとティカは東西に分かれていて、昔のティカ・ウェスト(Thika West)の中心地だった地区のようですね。
西の方へ行くと農業エリアで、コーヒーなどのプランテーションが広がっています。
サファリコムの創立した学校があります。
私の家もこのタウンシップ区内にあります。
②ホスピタル区(Hospital ward)
タウンシップ区の東に位置するホスピタル区。
おそらくその名前の由来は、この地区にあるティカ・レベル5病院(Thika Level 5 Hospital)だと思われます。ケニアの病院のランクはレベル1~6まであり、レベル5は上から2番目です。
病院や刑務所といった施設があるほか、マウント・ケニア大学(Mt. Kenya University)があり、学生が多い地区でもあります。
カウンティの公営住宅が立ち並ぶ住宅地があったり、食品工業などの工場エリアもあります。
豆・米・トウモロコシ・粉などの穀物を主に扱うジャムフリ市場(Jamhuri market)や、青果・衣料品のお店が多いモイ市場(Moi market)があるのもこの地区です。
また、キアンブ・カウンティ最大であり、ケニア国内でも最大規模のスラムの一つと言われる、キアンドゥトゥ・スラム(Kiandutu slums)がこの地区の南にあります。
私の職場があるのもここ、ホスピタル区です。
③カメヌ区
ガリッサ・ロード(Garissa road)を東へと移動していきます。この辺からはどんどん生活範囲・活動範囲から離れていくので、分からないことが多いです。
カメヌ区は、市内で最も人口の多い地区です。
そして、キアンブ・カウンティ最大規模だという青果市場・マコンゲニ市場(Makongeni market)、家具や日用品を扱うマダラカ市場(Madaraka market)があるのもこの地区です。
毎週火・金はマーケット・デイで、多くの人でごった返します。
市場の近くには、ティカ唯一のショッピングモールであるアナナス・モール(Ananas mall)があります。
私立大学グレッツァ大学(Gretsa University)などの教育機関もありますね。
キアンブ・カウンティ唯一のゴミの最終処分場であるカンゴキ処分場(Kang'oki dumpsite)があるのも、このカメヌ区です。
④ガトゥアニャガ区(Gatuanyaga ward)/⑤ゴリファ区(Ngoliba ward)
ティカの東のはずれに位置する2つの区。かつてティカ・イースト(Thika East)と言われた地区です。
もはやこっちは未知の領域です...
ムランガ・カウンティからまたがる、広大なデルモンテのパイナップルとマンゴーのプランテーションがガリッサ・ロード沿いに広がり、そして、ティカ最大の観光名所であるフォーティーン・フォールズ(Fourteen Falls)があります。
デルモンテのパイナップルは、ティカの名産品であり、街のシンボルにもなっています。
それくらいしかわかりません...行ってみたいですけど、用事がないとなかなか行けません。
軽い気持ちで書き始めたら、思ったより時間がかかってしまい焦っていますが、私の任地であるティカの街のイメージが広がるといいなと思います。