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×2020年4月→改め2021年3月よりJOCVとしてケニアへ。いろいろ情報発信ができるといいな

ワールド・クリーンアップ・デイ

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2021年9月18日はWorld Cleanup Day(ワールド・クリーンアップ・デイ)だったのをご存じでしたか?
私は最近知りました。

ワールド・クリーンアップ・デイについては、日本版のホームページのリンクを張っておきますので、詳しいことが知りたい方はお読みください。

worldcleanupday.jp

要するに、この日は世界中で清掃活動をやろうぜ!という日であり、私の配属先もばっちりそれに乗っかっているということです(笑)それはそれでいいんですけどね。

カウンタパートたちはここ数週間、協賛企業などに文書を届けに行ったりしてとても忙しかったようです。(私は置いてけぼりですが...)
そんな地道な活動の甲斐があって、いくつもの企業から、長靴やナタ、草刈りなどの道具をはじめ、水や炭酸飲料、牛乳、パン、お菓子などの食品、マスクやゴム手袋、ハンドサニタイザーなどの衛生用品まで、多くの寄付をもらったようです。

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食品類

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道具類

今年のワールド・クリーンアップ・デイは、我らがキアンブ・カウンティ水・環境・エネルギー・天然資源部(その中でも特にティカ環境事務所が主力に)と、NEMA(National Environment Management Authority。要するにケニア環境省ですね)が主催し、ティカの企業数社と、大学・専門学校の学生たち、地元住民らが参加しての清掃・植林イベントでした。
今年の清掃活動の舞台は、ティカの中央部に位置する、ガチャギ(キクユ語では”ガシャギ”)という名のスラムです。ティカには、キアンブ・カウンティ最大級のスラムと言われているキアンドゥトゥ・スラムがあって、そこは危ないから近付いてはいけないと言われているのですが、ガシャギは大丈夫なんでしょうか...?まぁ大丈夫だからやるんでしょうけど。

事前に配布された予定表では、午前9:00開始で14:00終了・解散。案外すぐに終わるのだなと思ってたんですが、甘かった。ここは日本じゃなくケニアなんですよね。

8:00くらいに出発する!って言ってるのに、8:00になっても事務所の鍵は開いておらず。担当の人が来て鍵を開けたはいいけど、今度は荷物を積む車が来ず。
時間があるうちに水などの荷を運んでおくか、と思って運んでたら、「スタッフたちがたくさんいるから、あなたは運ばなくていいんだよ!」と諭されてしまう始末...しょうがない、これがケニア式なので(笑)

ゴミ収集は土曜日もあるので、ティカ環境事務所からの参加メンバーの多くは路上清掃員たちです。清掃業務は職種によって結構な性別による差があって、例えばトラック運転手は全員男性。トラックに乗ってゴミの収集を行う収集員も、数名女性がいるものの、ほとんどが男性です。
それに対して、路上清掃員はほとんどが女性。路上清掃員の女性比率の多さゆえに、ティカ環境事務所全体として男性が4未満、女性は6超という比率になっています。20代から50代までの個性豊かな面々です。

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ガシャギ・スラム。手前の燃えた跡は、野焼きをした後のようです

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ガリッサ・ロードという幹線道路沿いに位置しています。

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ガシャギの西端部にある大きな木

日頃、ちゃんと会ったらあいさつするようにしてますし、スワヒリ語とキクユ語もちょっと上達したおかげで、だいぶみんなと打ち解けてきた感がありますね。
最近は隊員活動は満足にできてないですけど、こういうのも大事!

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いっしょに写真を撮ってもらいました

そして、ガシャギに9:30くらいに到着したはいいものの、他の企業とか学校の人々がなかなか集まらず、けっきょく2時間以上遅れてスタート(苦笑)何人かに聞いたところ、「これがケニアだからね!」「これがアフリカさ!」と言われたので、平常運転ということでいいと思います。
逆に、イベントを企画することがあったら、それくらいの時間の遊びを持ってやる必要があるってわけです。勉強になるなぁ...

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作業してるポーズを取れって言われたので...w

イベントの規模はけっこう大きくて、たぶん100~200人くらいは参加してるはず。
肝心の清掃活動が始まったわけですが、時間の関係上なのか、元々そうなのか、ガシャギ・スラム内には立ち入らず、幹線道路沿いを進みながら清掃をしていくというスタイルでした。
とは言え、住民が長期にわたってゴミを捨てているであろうゴミ溜めをさらったりとか、写真は載せませんが、イヌの死骸をゴミと一緒に燃やした跡に遭遇したりとか(もうそんなものでは驚きませんよw)、日本ではなかなか味わえない愉快な清掃活動を堪能しました。

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子供たちもおもしろがって見に来ました

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ゴミ溜めさらい

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ガシャギ・スラム、中はどんな感じなんでしょうね

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作業風景。人がたくさん

作業をしながら幹線道路沿いを進んでいくと、Thika Children's Rescue Centre(ティカ・チルドレンズ・レスキュー・センター)という児童福祉施設に到着します。そこがこの後の植林イベント、寄付でもらった食品類の配布、スピーチなどが行われる会場です。

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先週このレスキューセンターに寄贈したゴミ箱

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植林イベントです。正直、この植林は素人目にもいい加減な気がするのですが...

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驚くことに、清掃活動も植林も終わったその後が長いんですね。
貸し出した道具をちゃんと数えて回収して、みんなに飲み物と食べ物を配って、一休みした後で、偉い人のスピーチとか、学生たちの出し物が2時間くらいあるんですよ。
そんなのみんな寝ちゃうよ...って思うんですが、意外とみんな寝ません。真面目に聞いてはいませんが...私は眠いです。

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おやつ。他に水と炭酸飲料と牛乳と食パンが配布されます。特に子供たちに。

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コロナ禍なので、当然ながら屋外でやります

そんなこんなで、2時間遅れの午後4時くらいにお開きに。
今日は日差しが強く、気温も高い日でしたが、ケニア中央高地は湿度が低いのでさらっとしてて過ごしやすいですね。紫外線はめちゃくちゃ強烈ですが。

正直を言えば、このイベントをやることでティカの環境が大きく改善されるわけでも、人々の意識が大きく向上するわけでもないと思います。ある意味、儀式的なものです。
とは言え、人が生きていくうえで儀式的なものの意味がないとは言い切れないので、その”儀式性”を残しつつ、実効性を少しでも高めるというのがこういうイベントに必要なことかもしれません。

個人的には、こういうイベントに参加するのは初だったので、学ぶことは多かったですし、NEMAなどの他の機関に知り合いができたので、有意義だったと思います。
何より、屋外での活動は楽しいですね。きっとまた来年も参加するので、次は運営側に回れるといいな、と思います。

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小さなカメムシ

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ケニアにも”くっつき虫”があります!