久しぶりのナイロビのこと
2ヶ月ぶりにナイロビに上京してきました。
コロナ下で密を避けるために、今回はバスやマタツと言った公共交通機関を使用せずに、Uberで移動。
ティカからナイロビは、渋滞していなければ車で約1時間強。ケニヤッタ・ロードという広い高速道路(スーパーハイウェイと呼ばれています)が整備されているので、かなりスムーズに行き来ができます。
この時期は、学校の学期終わりだそうで、寄宿学校の子供たちが一斉に自宅に帰ることから、ナイロビ市内は大渋滞。けっきょく1時間半くらいかかりました。
2ヶ月ぶりに来たナイロビは、やっぱり大都会でした。
行きで約1,600KSH、帰りは約2,000KSH。
ティカからナイロビまでマタツで100KSHらしいので、かなりカネのかかる移動となりました。
道中に、運転手と色々会話をして、「ずいぶん英語話せるようになったな~」感を感じたりしていました(全然まだまだですが)。
タクシー運転手との会話の中でおもしろかったネタをいくつか。
①ケニア人は政府をあんまり信用していない:
私は環境教育隊員として来ているので、「ケニアのゴミ問題は大変だが、日本も昔は同じようにひどかった。でも日本はそれを変えてきた」みたいな話をすると、「でもそれは日本政府がちゃんとしてるからでしょ。ケニア政府は腐ってるからダメだ」と言われることがちょくちょくあります。最近では「Dynasty vs Hustler」というのがよくマスコミで取り上げられていて、これは以前にアメリカを中心に流行った「1% vs 99%」に近い話のようです。これまでケニアでは民族対立がクローズアップされてきたけど、実のところは「持つ者 vs 持たざる者」なのだ、ということですね。
ケニア人曰く「あいつらは選挙が終わったらすぐに次の選挙に向けたキャンペーンを始める。権力を維持することしか頭にないんだ」とか、「大きなプロジェクトが行われて莫大なカネが投入されるけど、それを7~8割平気で懐に入れるんだ」などなど。
ここまで言われると、「いやそんなことないよ、日本だってさ~」とはなかなか言いづらかったりしますね...笑
②ケニアの自動車事情:
Uberドライバーは車に関心があるのか、車トークで盛り上がりました。行きも帰りもたまたまトヨタ・ヴィッツだったんですけど、トヨタ車の愛されぶりがすごいですね。「ケニアで走ってる車の90%はトヨタ車だよ!」と言ってました。イギリスのランドローバーよりも、トヨタランドクルーザーのほうがこっちでは高級車らしいです。レンジローバーが1,000万KSHくらいするのに対して、ランクルは2,000万くらいするのだとか。お金持ちの車と言えばランクル、というイメージのようです。日本だと外国車は遠方から輸入するので高いですが、ケニアだと日本車も欧州車もアメリカ車もすべて輸入品であることが影響していそうです。
また、ミニバンタイプのマタツのことを「ニッサン」と呼ぶのですが、これは昔、日産のバンがマタツによく使われたことに由来するそうです。実際ほとんどのマタツはトヨタ・ハイエースなのですが、未だに「ニッサン」と言われるそうです(日産・キャラバンのニッサンももちろんあります!)。
③その他
帰りのドライバーは、「僕は日本の農業のYouTubeを見るのが好きなんだ!」とか「僕のおじさんは小柄な人なんだけど、カラテのブラックベルトで、大柄なチンピラをのしてしまうくらい強いんだ!」とか「僕はブルース・リーの映画が好きなんだ!」とか、とか、日本好き(?)をアピールしてくれました。
ナイロビ市内にあるウフル・パークという公園は、「良い所だけど、君は一人で行かない方がいいよ。危ないから」などなど、有益な情報を得られました(笑)こういうやり取りも楽しいですね。
今回のナイロビ行きでは、タイミングよく帰国直前の先輩隊員たちに会うことができました。
Covid-19のパンデミックの影響で、日本に帰国せざるを得なくなり、約10ヶ月間の日本での待機期間を選択した後、再派遣となった隊員たち。
私とて、約1年間の日本国内での待機を経て派遣されていますが、コロナによる緊急帰国や、残りの任期が減っていくのを日本で待機しながら待っていた経験をした彼らが一番大変だったろうと思います。
こんなご時世の中、直接人と会うこともままならず、パソコンの画面越しでの会話ばかりだったんですが、最後にナイロビで直接対面し、言葉を交わすことができたのはとてもよい思い出になりました。
近いうちに私たちの隊次が、ケニアの協力隊の一番の古株になるんですが、まだ全然ケニア初心者なのに、色々相談できる先輩隊員がいないという状態は不安がありますね...
連綿と続いていくこと、多くの人の経験や知識が積み上がっていくことの重要性みたいなものを感じます。
いずれにせよ、協力隊の歴史の中でも最も厳しい2年を経験し、活動を満了した彼らに最大限の敬意を表したいと思います。
本当にお疲れさまでした。